鳥凧継承プロジェクト

PROJECT

鳥凧とは、鳥の形を精巧に再現した新潟生まれの凧で、新潟の柳の枝から作られています。鳥の観察から、設計、組み立てまで、そのすべてに高い技術が用いられて完成する新潟が世界に誇る文化です。
かつてその再現性や飛翔時の美しさから、日本を代表するデザイナー・柳宗理も高く評価しました。
現在作り手の高齢化により技術の継承が危ぶまれています。この文化を絶やさずに次の世代に残していきたい。私たちは「新潟鳥凧の会」とともに継承プロジェクトを始動させました。(デザイナー:藤田)

WEB:http://niigatatoridako-official.jimdo.com

 

三条凧合戦/タンチョウヅル

鳥凧と出会ったのは2015年、鳥屋野潟の畔で行われた「ハクチョウホワイトフェスタ」でした。新潟鳥凧の会の方々が大きなハクチョウの凧を揚げており、本物と見間違うような精巧な形と迫力に驚きました。鳥屋野潟から良い風が吹くといっきに大空へ揚がる姿に、スタッフ村山と大興奮!

柳の木を削り、木を火で炙りながら骨組みを組み立て、和紙を貼る…1つ1つの丁寧な作業に驚きました。より本物に近づけるため、実際に鳥を観察しに行くこともあるそうです。一箇所でもバランスが狂うと飛ばない鳥凧。繊細な作業の積み重ねで出来上がります。気が遠くなるような細かい作業ですが、皆さんの横顔から鳥凧への情熱が伝わってきました。

2016年6月に行われた「三条凧合戦」。
開会式でのパフォーマンスは圧巻でした。広い大空に羽ばたく鳥凧は「これが鳥凧だ!」と言わんばかりの揚がりっぷり。
以前会長の市川さんが「自己満足で揚げるのではなく、見ている人を楽しませなければ」と言っていた通り、大きいトンビから小さいツバメ、ニワトリ、トンボ、シーサーなど様々な種類の鳥凧で会場を沸かせていました。

三条凧合戦/トンビ

三条凧合戦/ニワトリ

鳥凧は海外でも高い評価を得ています。オランダ/アメリカ/韓国/マレーシア/台湾/ロシア/イギリス/ボルネオ/ベルギー/タイ/カナダ、凧を大人の文化として捉えている諸国から大会や式典へのオファーが数多く寄せられています。先月はロンドンにおけるD&AD賞の授賞式で新潟鳥凧を用いたサントリーの愛鳥活動ムービーがウッドペンシル(銅賞)を受賞しました。
英語やジェスチャーで海外の方と交流する皆さんは、とても嬉しそう!もしかすると発祥の日本より海外での注目度の方が高いかも・・・!?

新潟が世界に誇る素晴らしい技術ですが、作り手の方々の高齢化により次の世代への継承が難しくなっています。私たちU・STYLEは新潟の魅力に光をあて、発信・継承していくプロジェクトを進めています。
今回「新潟鳥凧の会」と共に継承プロジェクトをスタート。継承の第一弾として、鳥凧づくりの担い手を育成する“鳥凧教室”を行いました。

3名の参加者が集まり、全10回の鳥凧教室を7月13日からスタート。1カ月で1人1つの鳥凧を作ります。
元々物づくりが好きな方々でしたが、初めて作る鳥凧に苦戦!すべての作業が難しいですが、柳の枝を火で炙って曲げるのが一番苦労したそうです。それでも回を重ねるごとにコツを掴み、作業の精度やスピードも上がっていきました。

鳥凧は設計図に書かれていない部分もある為、継承には直接指導してもらう以外に方法はありません。
皆さん一つも聞き逃さないよう、紙にびっしりとメモを。

約1カ月をかけ、それぞれの鳥凧が完成しました。お話を聞くと
「簡単だと思って始めた鳥凧作りでしたが、すべての作業が難しかった。
作ることが好きだから最後まで続けられたと思います。後継者がいないのはどの分野もそうだ。鳥凧は素晴らしい世界だと感じました。」
「ずっとやりたいと思っていました。このチャンスを逃がしたらもうできないと思い参加し、昔からの想いが叶いました!」
「以前見かけた時、すごく感動してずっと頭に残っていました。出来上がったものを見た時、1つのオブジェじゃないかと思った。
鳥凧は単なる凧ではなく、表現芸術の世界。これからも続けていきたいです。」
との声がありました。

第一回目の鳥凧教室が終わり、参加者の方から「これからも続けていきたい」という声があったことが、嬉しく思いました。
同時にまだまだ知らない人がたくさんいるという事も感じ、次は若い世代の方が知る機会をつくっていきたいと思います。
自分自身も新潟鳥凧の会の方々と深く関わらせていただき、鳥凧への愛着を感じています。風にのって揚がる鳥凧はとても美しいので、見たことのない人にも一度は見てもらいたいです。
これからも多くの人に発信・体験してもらえるよう、プロジェクトを進めていきます!